泌尿器科(女性専門診療)

当院では、女性特有の泌尿器科診療も行っており、尿もれや頻尿の症状やお悩みに対応しています。
「急に強い尿意が起こってもれそうになる」「咳やくしゃみ、走ったときに尿がもれる」「トイレに間に合っても下着を下ろす間に漏れる」「尿の回数が増えた」「夜中に何度も起きる」といった症状は、年齢のせいだけとは限りません。
女性の排尿トラブルには、過活動膀胱や腹圧性尿失禁、慢性膀胱炎、間質性膀胱炎、神経因性膀胱、性器脱などがあり、原因により対応が異なります。排尿時の痛みや残尿感がある場合は急性膀胱炎が考えられ、薬による治療で症状の改善が期待できますが、放置すると発熱や背中の痛みを伴う腎盂腎炎に進むこともあります。気になる症状があれば、早めの受診をおすすめします。
このような症状の方はご相談ください
- くしゃみや咳をしたときに尿が漏れる
- 急に強い尿意を感じ、我慢できない
- 排尿時に痛みや違和感がある
- 排尿後も尿が残っている感じがする
- 不安やストレスがある
- 外出や仕事、睡眠に支障が出ている
尿もれ(尿失禁)

尿もれ(尿失禁)とは、自分の意思とは関係なく尿が漏れてしまう状態を指します。40歳以上の女性に多くみられるとされています。悩みを抱えながらも受診せずに我慢している方も少なくありません。
尿もれ(尿失禁)は、症状や原因によって主に次の4つに分けられます。
咳や運動などで腹圧がかかった際に起こる腹圧性尿失禁、急な尿意に間に合わず漏れてしまう切迫性尿失禁、尿が出にくく少量ずつ漏れる溢流性尿失禁、歩行障害や認知機能の低下などが関係する機能性尿失禁です。原因に応じた治療や対応があるため、早めに泌尿器科を受診することが大切です。
原因について
女性では、骨盤を下から支えている骨盤底の筋肉や靭帯が、出産時の負担や加齢によって次第に弱くなります。その結果、尿道を締める力が低下し、尿が漏れやすくなります。
また、閉経後は女性ホルモンの分泌が減少し、尿道や外陰部を覆う粘膜が薄くなります。粘膜がやせることで尿道の密着性が低下し、わずかな腹圧でも尿失禁が起こりやすくなると考えられています。
診断や治療について
内診や強い痛みを伴う検査は基本的に行いません。問診票による聞き取りを中心に、尿検査、超音波検査、排尿記録、残尿量の測定などを行い、状態を確認します。
結果に応じて内服薬による治療を行います。腹圧性尿失禁の場合には、骨盤底筋体操を取り入れることもあり、筋肉を鍛えることで尿道や肛門を締める力を高め、症状の改善を目指します。
骨盤底筋群を鍛える体操
仰向け、四つんばい、椅子に座る、机にもたれるなど、どの姿勢でも行えます。
肛門・尿道・膣全体に数秒間力を入れ、陰部全体をゆっくり引き上げるように締めます。その後に力を抜き、この動作を繰り返します。無理のない範囲で続けることが大切です。

仰向けの姿勢
両足を肩幅に開き膝を立てる

四つんばいの姿勢
床に膝と肘をつき、肘で頭を支える

椅子に座った姿勢
両足を肩幅に開いて床につけ、背筋を伸ばす

机にもたれた姿勢
両腕を肩幅に開いて机に手を置き、体重をかける
頻尿

「尿が近い」「排尿回数が多い」と感じる状態を頻尿といいます。一般的には、起床から就寝までの排尿回数が8回以上が一つの目安とされていますが、回数には個人差があり、8回以下でも多いと感じる場合は頻尿と考えられます。
水分摂取量だけでなく病気が関係していることもあるため、気になる場合は3日ほど排尿日誌をつけ、排尿の時間や量、水分摂取量を把握することが参考になります。改善しない場合は、泌尿器科への受診をご検討ください。
原因について
頻尿の原因は一つではなく、主に過活動膀胱、残尿、多尿、尿路感染や炎症、腫瘍、心因性などが考えられます。
過活動膀胱では膀胱が自分の意思とは関係なく収縮し、急な尿意によって排尿回数が増えます。残尿がある場合は、膀胱に溜められる尿量が減り、回数が増えます。多尿は、糖尿病や水分摂取量、薬の影響で尿量自体が増える状態です。膀胱炎などの炎症や、まれに腫瘍が原因となることもあります。心因性の場合は、病気がなくても不安などから排尿回数が増えることがあります。
診断や治療について
内診や強い痛みを伴う検査は基本的に行いません。問診、尿検査、超音波検査、排尿記録、残尿量測定などを行い、結果に応じて内服薬による治療を行います。
膀胱炎

膀胱炎は主に女性に多く、膀胱内で細菌が増殖して炎症が起こる病気です。
女性の尿道は約4cmと短く、細菌が侵入しやすい構造をしています。
主な症状には、急に尿がしたくなる尿意切迫感、排尿回数の増加、排尿時の下腹部や尿道の痛み、残尿感、血尿や尿の濁りなどがあります。膀胱炎のみでは発熱は通常みられませんが、細菌が腎臓に広がると高熱が出ることがあり、早めの受診をご検討ください。
原因について
排尿を我慢すること、外陰部への刺激、性交渉などがきっかけになることがありますが、わずかな刺激でも感染が起こることがあります。妊娠中は膀胱を十分に空にしにくくなるため、膀胱炎を起こしやすく、再発する場合もあります。
症状について
頻尿、尿意切迫感、排尿時の灼熱感や痛みが数時間から1日中続くことがあります。高齢の方では、切迫性尿失禁や夜間頻尿、発熱、混乱などがみられることもあります。症状が出ないまま、健診などの尿検査で偶然見つかる場合もあります。
診断や治療について
問診と尿検査の結果に基づいて行います。繰り返す場合は、超音波検査で尿路の異常を確認します。治療は抗生物質の内服を中心に行います。服用期間は状態により異なります。内服開始後、症状が軽くなる場合もありますが、経過には個人差があります。
