前立腺癌は50歳以上の中高年男性に好発する癌で、近年わが国でも男性の癌のうち年齢調整罹患は第6位、癌死亡数でも第7位を占めており、2020年には罹患数は第2位に(肺癌に次いで)、死亡率は現在の2.8倍になると予想されています。前立腺癌の特徴的な初期の症状はないため、早期に前立腺癌を発見し治療を受けることが重要です。
初期は無症状、進行すると尿が出にくいなどの排尿障害を認めます。
さらに進行して骨に転移すると腰痛や足のしびれ、リンパ節に転移すると足のむくみなどを呈することがあります。
前立腺癌を早期に診断するためには、
1.前立腺の直腸診(直腸から指を入れて前立腺に異常がないかを診察する)
2.血清PSAの測定をする
まずこの2点がスクリーニングとして行われる検査です。
この検査で前立腺がんが疑われた場合次の精密検査を行い確定診断をします。
3.経直腸的前立腺超音波検査
4.前立腺針生検検査(直腸か会陰部より前立腺に針を刺し前立腺の組織を採取し、顕微鏡的に癌があるかどうかを調べる検査)が必要になります
前立腺がんの治療法の3本柱
「手術療法」、「放射線治療」、「内分泌(ホルモン)治療」が代表的です。
1. 手術療法:開腹手術、腹腔鏡下手術、ロボット手術などの方法あります。
2. 放射線療法:外照射、組織内照射などの方法があります。
3. 内分泌(ホルモン)療法:内服薬と注射による外来治療になります。
その他にも、抗がん剤を使う「化学療法」や、「高密度焦点式超音波療法(HIFU)」という超音波を集中させて生じる熱でがんの治療を行う治療法など、様々な選択肢があります。